産業界では生産性の向上ということが、各企業の死活問題として大きく取り上げられ、真剣に研究されている。しかし、政治の分野ではその研究がまだほとんど進んでいない。政治の生産性の向上は、それがほんの小さいものであっても、国民全体に非常に大きな影響を及ぼすことが多く、一企業の比ではない。そういう意味から、政治の生産性をいかに上げるかということを大いに検討することが肝要である。

 

政治の生産性向上を

発表媒体

PHP』1965年10月号 「あたらしい日本・日本の繁栄譜」

 

内容抄録

 経済界、産業界では生産性の向上ということがそれこそ各企業の死活問題として大きくとりあげられ、そのための研究、工夫に真剣な努力がはらわれてきている。

 これに対して、政治の分野ではどうかというと、わが国ではまだなかなかそこまでは研究が進んでいないように思われる。

 

 政治の研究課題というか、研究の分野というものは、一民間企業の比ではない。実に広い範囲にわたっている。しかも政治の生産性の向上は、それがほんの小さな範囲の工夫であったとしても、国民全体に非常に大きな影響を及ぼすことが多い。これまた一企業、あるいは一業界の比ではないと思う。そういう意味から政治の生産性という問題も、大いに検討し、実際に国家国民の繁栄なり幸福をより高めてゆくよう心がけることが肝要だと思う。