5/10発売『Voice』2017年6月号に、同誌1983年1月号に掲載された松下幸之助の執筆記事「政治の基本を忘れていないか」が再録されました。なぜ日本の政治力は弱いのか。国家百年の計を見据えた理念の重要性を説いた内容です。ご購入の際は、ぜひご一読ください。
内容
一部紹介
基本的な理念が欠けている
航海をするときには、まず船を出す目的に従って、いつまでにどこそこへ行こうという目標を立てます。そしてその目標に照らして航海の日程を組むわけです。海へ乗り出したものの、西へ行くのか東へ行くのかがまだ決まっていないということでは、どちらへ舵を取ったらいいのかもわかりません。
政治の場合もこれと同様で、国家の運営をどちらの方向へ進めていくのかという目標がやはりまず必要で、この目標を定めるものが政治の理念であると思うのです。
そういう国家運営の哲理が、戦後四十年近く経ったにもかかわらず、なおできていないということがいちばんの問題だと思います。
欲望を適正に充たす政治
人間の欲望は大いに充たしていかねばなりませんが、それはそれぞれの欲望をほしいままに充たすのではなく、適正に善導しつつ充たしていく。言い換えれば、人間の欲望を真に満足させるということは、いったいどういうことかということも併せ教えつつ、適正に欲望を充たしていく。そういうところに政治の役割があるともいえるように思うのですが、この点についての認識も、今日の政治にはいささかかならず欠けているのではないでしょうか。
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2017.5.18