松下幸之助の著書は数多くあるため、どの本から読めばいいのかわからない、といったお問い合わせをよくいただきます。そこで、PHP社員が「これぞ!」と思う1冊(『道をひらく』を除く)をオススメするコーナーを設けました。
今回は、感情的になったときにオススメしたい1冊です。
本コーナーは、社員からの声を随時追加してまいります。
『人間を考える』
PHP研究所を創設以来考え続けてきた人間の本質についてまとめたもの。昭和47年版には、「新しい人間観の提唱」と、有識者による「人間を考える」を読んでの感想を収録。昭和50年版では、有識者による感想を割愛、「新しい人間観の提唱」に「真の人間道を求めて」を追加し、「人間を考える・第一巻」と改題した。文庫本には、「新しい人間観の提唱」「真の人間道を求めて」に加え、昭和47年版所収の有識者による感想を再録。
わたしのオススメ理由
自己の感情にとらわれず、正しい価値判断につとめようと思える一冊
「自分が一番うまくやれるんだ!と憤った」ときにオススメ
変革を完遂する企業と組織を凌駕する個人とが際立つようになった。この10年、組織の中で一人ではキャズムを突破できない事実を痛感。焦燥感の中で組織人であることの意義を考えた一節。「自己の感情、欲望、愛情などにとらわれず、正しい価値判断につとめて(中略)ひろく共同生活を向上進歩させよう」(太田 智一)
『素直な心になるために』
素直な心をもってお互いが生きていくところから、よりよき共同生活が実現し、一人ひとりの幸せも高められていくと説く。
わたしのオススメ理由
夫婦喧嘩をしたとき、パートナーに対して素直になれる
「夫婦喧嘩をしたとき」にオススメ
誰かに腹が立つとき、それが自分と近しい人であるほど、「悪いのはあっち。こっちは正しい」と考える。本当にそうか? 相手の立場で考えたか? 私心にとらわれていないか? この本を開くと創設者が私にそう語りかけてくる。さあ、リビングにいる妻に謝りにいこう。素直にごめんなさい、と。(桑田 和也)
自分の感情を客観的に見つめられる一冊
怒りや嫉妬などで自分を見失っているときは、「素直な心」が働いていないという。「素直だからこそ、負の感情が湧くのでは?」と最初は思ったが、「自分の感情を客観的に見つめる」ということだった。負の感情に振れやすく、感情まかせになりそうなときに見直したいメッセージが詰まっている。(奥山 陽香)
感情や私利私欲に「とらわれない心」を持ちたくなる
昔、父と口論になったとき、「相手の話は素直に聞け」と諭されたことがあります。自分を正当化しようとするあまり本質が見えなくなり、反論ばかりしていたのだと思います。この本を手にすると苦い記憶も蘇りドキリとしますが、感情や私利私欲に「とらわれない心」の持ち主でありたいと思わせてくれます。(松原 奈美)
2022.2.25